歯が無くなった場合の解決法は入れ歯やインプラントだけではありません。もし“親知らず”が残っていたら歯の移植という方法があります。 当院では移植可能な歯がある場合、インプラントを行うより移植を第一優先させています。それは以下の理由からです。 |
歯の移植のメリット |
@ 歯根膜という感覚器官があるため、噛んだ感じが元の歯そのものである。 A 費用がインプラントより安価に出来る。 B 金属アレルギーのある方にも可能。 |
歯の移植のデメリット |
@ インプラントより術者の技量が必要である。 A 2ヶ所(ドナー部位、レシピエント部位)外科処置することになる。 B 歯の形態によって移植に適さない場合がある。 |
以上のようなデメリットもありますが、ほぼ術者の技量面の問題であり、積極的に取り組むべきと考えています。 |
歯の移植症例 術前 |
痛みのある不適合ブリッジのある方。 |
歯の移植症例 術後 |
下顎の“親知らず”を移植。疼痛は無くなりました。 |
根の先の病気で抜歯と診断された歯でも残すことができる場合があります。 歯を一旦抜歯し、根の先の処置を外で行い、再び元の位置に埋め戻します。 症例によっては、破折していても残すことが出来ます。マイクロスコープでの拡大視野下で行うことでこそ可能な方法です。 |
再植(意図的再植) 術前 |
歯の破折のため膿の袋(矢印)が出来てます。膿の出口にレントゲンに映る材料を入れて撮影。 |
再植術後(3年経過) |
膿の袋はなくなりました。 舌側から見た写真:破折線を接着したセメントが見えます。(矢印)生体親和性の高い材料なので、問題なく経過しています。 患者は高齢であり、また手術器具のステンレスにアレルギーのある方でした。インプラントや連結した被せで処置するより侵襲の少ない処置になったと思います。患者様のQOLに貢献できました。 |